愛媛県久万町附近の村々には、昔は×××××××××××××××ふ習慣があった。然るに此の辺の村掟として、女子が一度(これは厳重に一度と限られてゐた)男子に契つて妊娠せぬときは、氏神様の思召にかなはぬ女として村内へ嫁すことを禁じられ、他村へ貰はれて往くことになつてゐた。
女は男に遇ふ夜は、何か莨入とか、又は手拭とか、後日の証拠となるべき物を男から預り、懐胎するとそれを証として嫁に往くのであつた。
岐阜県の岩村田附近にも××は猖んに行はれたが、ここでも妊娠すれば必ず夫婦となることに定まつてゐたが、一度他の女と結婚しても、その女が処女で無かつたと云ふ理由で、離縁することは出来ぬ定めとなつてゐた。
和歌山県の牟婁郡などで、××が余りに烈しかつたので、先年青年会の決議で、夜中外出の際は必ず提灯を携ふべしと定めて、此の事を矯正したといふことである。